導入事例

医療クラウド「レセスタ」の基盤にさくらのクラウドを採用 2年で黒字化を実現したコストと安定性

株式会社メディサージュ 様

電子カルテや保険請求支援など、医療機関向けのITサービスを展開する株式会社メディサージュ。同社は、自社開発の保険請求支援システム「レセスタ」やクラウド電子カルテ「HAYATE/NEO」のシステム基盤として、さくらのクラウドを採用しました。 医療プロダクト事業を2年で黒字化へ導いたクラウドインフラの選定と工夫について、株式会社メディサージュ ICT事業本部 リーダー 本橋聡氏にお話をうかがいました。

課題
安価なクラウドでは急なメンテナンスや通信切断などが発生し、品質に不安があった
製品ができてからの営業だったため、限られた予算のなかで黒字化を目指す必要があった
顧客となる医療機関ではファイアウォールを使用していることが多くIPアドレス変更に制限があった
効果
通信の安定性が確保され、運用トラブルが減少した
コストと性能のバランスがよく、想定より早く黒字化を実現できた
IP固定の工夫が可能で、医療機関の厳格な要件にも対応できた

さまざまなITサービスで、医療機関を支援

「株式会社メディサージュは、電子カルテや在宅医療支援、検査連携、レセプト業務など、医療現場の幅広いニーズに応えるITサービスを提供しています。なかでも、保険請求支援システム『レセスタ』は、診療報酬の算定支援、レセプト点検、情報提供、法改正対応のセミナーまでを一括でサポートし、医療機関の収益管理を大きく効率化できるクラウドサービスです。

患者の病名や検査・処方内容、保険情報などが含まれるレセプトデータを正確に処理する必要があるなか、『レセスタ』は医療現場の負担軽減と業務品質の向上を両立。提供開始以来、全国の医療機関で導入が進み、現在は保険請求業務の中核を担うシステムとして活用されています。

こうしたサービスを支えるインフラには、安定した通信環境と高度な柔軟性が求められます。また、厚生労働省から発令されている医療システムの提供におけるガイドラインに則ったサービスである必要もありました。

株式会社メディサージュ ICT事業本部 リーダー 本橋聡氏

通信の不安定さや突然のメンテナンスによる影響を回避するため、メディサージュでは2020年、運用基盤をさくらのクラウドへと移行。IPアドレス制限など医療機関特有のネットワーク要件にも対応できる仕組みを整えました。

利用ユーザ数が2桁程度だったころは最小構成で稼働していましたが、ユーザ増加や新サービス提供によって現在は石狩リージョンとの連携も含めたクラウド構成で『レセスタ』の安定運用を実現しています」(本橋氏)

「安定性とコストバランス」が最適なクラウドを選定

開発当初、「レセスタ」のインフラに格安クラウドサービスを採用していました。しかし、通信切断や予期せぬメンテナンスが頻発し、「このままではサービスとして出せない」と判断。

しかし、大手外資系のクラウドサービスはどれも非常に高価であり、プロダクトサービスとして成り立たせることが難しかったそうです。

「採用にあたっては、ガイドライン調査を行い、開発環境を移植して検証しています。安定性とコストバランスを見直すなかで、予定していた予算もクリアできたため、国産クラウドであるさくらのクラウドの採用を決断しました​。

さらにUIの直感性やコストの明確さに加え、医療機関特有のIPアドレスを変更できないネットワーク制限への対応が可能だった点が大きかったですね。実際の運用では、コントロールパネル上でのディスクの差し替えによるサーバー移行など、さくらのクラウドならではの柔軟な構成が活かされています。技術的な構築部分はやや複雑でしたが、大きな障害なくスムーズに稼働しています。クラウドならではのスケーラビリティにより、事業拡大にともなうサーバーの増設も柔軟に対応できました」(本橋氏)

直感的で使いやすいUI・コストと柔軟性、そして信頼性

「レセスタ」のインフラとして採用した「さくらのクラウド」。その導入・運用を通じて実感したメリットは、開発現場から経営視点にまで幅広く及びます。

「まず、開発者目線での大きな利点は、直感的で使いやすいUIです。コントロールパネルは構成がシンプルで操作がわかりやすく、リソース追加時には容易に見積もりが表示されるため、想定外のコストが発生しにくい仕組みになっています。また、契約状況の可視化もスムーズで、複数の管理画面を行き来せずに操作できる点は、他社クラウドと比較しても大きなアドバンテージです。

実はシステム拡張にあたってもあまり苦労していません。オンプレミスと違い、さくらのクラウドはスケーラビリティに優れており、サービス規模に応じたサーバー追加や構成変更が非常に柔軟に行える点が拡張のしやすさにつながっています。

また、マニュアルなどのドキュメントの充実度も特徴のひとつです。構成例や設定値が図付きで丁寧に記載されており、検索性にも優れているため、自己解決しやすく、社内教育にも活用できます。昨年から提供されている『さくらのクラウド検定』などの教材は、当社社内での人材育成に有効なツールとなっています。

さらに、サポート体制の柔軟さと対応の速さも助かっています。営業担当者を通じて技術部門に直接つながることで、専門的な問題に対してもスピーディな回答を得ることができ、安心して運用できる環境が整っています」(本橋氏)

また、経営的にも、さくらクラウドは大きな効果をもたらしました。

「外資系クラウドに比べてコストが抑えられるため、当初3~4年と見込んでいた黒字化を2年で達成。さらに、さくらインターネットがガバメントクラウドの提供事業者に選定(条件付き)されたことにより、営業活動でも高い信頼性をアピールできるようになりました」(本橋氏)

加えて、本橋氏は「一番の決め手はコストだった」とも明言。

「さくらのクラウドは、サービス内容との相性がよく、機能面・価格帯・UIの見やすさといった観点でも非常にバランスが取れています。実際には、社内から『大手外資系のクラウドを使うべきでは』という声もあったものの、求めていたのは“そこまでの機能ではなく、事業に最適な選択肢”。現場からその点をしっかりと提案したことで、さくらのクラウドの導入を進めることができました」(本橋氏)

このように、さくらのクラウドはメディサージュにとって、機能・価格・信頼性すべてのバランスが取れた“等身大のクラウド”として、医療プロダクト事業の成長を支えています。

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株式会社メディサージュ
事業内容
電子カルテ等の医療情報システムの開発・販売、管理業務の受託
設立
2010年

導入事例集

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